2009年6月30日火曜日

 私は、ことし4月の日記に次のようなことを書いている。
 『4月12日に、早稲田大学野球部が、東大戦300勝を達成した。
 300勝33敗16分という結果になった。
 300勝がかかった試合を13対1で勝った。
 慶応、明治、法政も、続くだろう。
 対東大戦300勝は近い。
 300勝を達成するためには、最短でも75年かかる。
 1年に、最大でも4勝しかできないからである。』

 2009年6月29日現在の東京六大学野球のホームページを見ると、次のように書いてある。

『東京六大学野球リーグ戦チーム 勝敗記録
■チーム別対戦成績勝敗表
 大正14年秋季より平成21年春季まで

早 大
     対慶大 206勝167敗10分
     対明大 206勝167敗18分
     対法大 196勝183敗25分
     対立大 240勝122敗11分
     対東大 298勝 33敗16分
     合計 1146勝672敗80分

慶 大
     対早大 167勝206敗10分
     対明大 176勝197敗23分
     対法大 185勝183敗22分
     対立大 234勝140敗23分
     対東大 296勝 39敗 3分
     合計 1058勝765敗81分

明 大
     対早大 167勝206敗18分
     対慶大 197勝176敗23分
     対法大 193勝182敗22分
     対立大 235勝140敗21分
     対東大 296勝 41敗 8分
     合計 1088勝745敗92分

法 大
     対早大 183勝196敗 25分
     対慶大 183勝185敗 22分
     対明大 182勝193敗 22分
     対立大 223勝142敗 20分
     対東大 293勝 47敗 14分
     合計 1064勝763敗103分

立 大
     対早大 122勝 240敗11分
     対慶大 140勝 234敗23分
     対明大 140勝 235敗21分
     対法大 142勝 223敗20分
     対東大 267勝  83敗12分
     合計  811勝1015敗87分

東 大
     対早大 33勝 298敗16分
     対慶大 39勝 296敗 3分
     対明大 41勝 296敗 8分
     対法大 47勝 293敗14分
     対立大 83勝 267敗12分
     合計 243勝1450敗53分 』

 東大は、今季、早大に対して、300敗目を喫した。
 しかし、データは298敗のままになっている。
 すなわち、データは、平成20年秋季リーグ戦が終わった時点のものであって、平成21年春季リーグ戦の結果を反映していない。
 平成21年春季リーグ戦の結果を反映させると、次のような結果になる。

早 大
     対慶大 208勝167敗10分
     対明大 208勝168敗18分
     対法大 196勝185敗26分
     対立大 242勝123敗11分
     対東大 300勝 33敗16分
     合計 1154勝676敗81分

慶 大
     対早大 167勝208敗10分
     対明大 176勝199敗23分
     対法大 185勝185敗22分
     対立大 236勝141敗23分
     対東大 298勝 39敗 3分
     合計 1062勝772敗81分

明 大
     対早大 168勝208敗18分
     対慶大 199勝176敗23分
     対法大 193勝184敗22分
     対立大 237勝140敗21分
     対東大 298勝 41敗 8分
     合計 1095勝749敗92分

法 大
     対早大 185勝196敗 26分
     対慶大 185勝185敗 22分
     対明大 184勝193敗 22分
     対立大 225勝143敗 20分
     対東大 295勝 47敗 14分
     合計 1074勝764敗104分

立 大
     対早大 123勝 242敗11分
     対慶大 141勝 236敗23分
     対明大 140勝 237敗21分
     対法大 143勝 225敗20分
     対東大 269勝  83敗12分
     合計  816勝1023敗87分

東 大
     対早大 33勝 300敗16分
     対慶大 39勝 298敗 3分
     対明大 41勝 298敗 8分
     対法大 47勝 295敗14分
     対立大 83勝 269敗12分
     合計 243勝1460敗53分

 データの確認と修正をお願いします。

2009年6月27日土曜日

10000本ノック法

 参考のために、私の1000本ノック法を御紹介します。
 私は、自宅近くの網の張ったテニスコートで1000本ノックを何度かやりました。
 バケツに軟式テニスボールを30球ぐらい用意します。
 まず、右打ちで、30球打ちます。
 今度は、ボールを打った側に移動して、左打ちで、30球打ちます。
 1セットで60球打つことになります。
 一人でやりますから、投手はいません。
 ノックする要領で、一人で打ちます。
 網の張ったテニスコートですから、外にボールが出ることはあまりありません。
 外に出たボールは、後で拾いに行きます。
 1セットで60球ノックすることになります。
 これを10セット行いますと、600本ノックになります。
 20セット行えば1200本ノックになるわけです。
 30本ずつ、左右交互に打つことが大切です。
 右だけ、あるいは左だけで打っていると、すぐに疲れて、一度に1000本以上打つことが難しくなります。
 左右交互に30本ずつ打つことによって1000本ノックは簡単にできるのです。
 網付きのテニスコートと軟式のテニスボール30個と、バケツとバットがあれば、誰でも一人で1000本ノックをすることは可能です。
 1000本ノックをすると、野球が上手になります。
 以上、たった一人で1000本ノックを達成する方法のお知らせでした。
 10000本ノックは、体を壊すから、やめてください。

2009年6月19日金曜日

速記を外してもよい場合

2009-06-18 速記を外してもよい場合
 速記を外してもよい場合とは、間違いなく完全な録音・録画がとれる場合です。
 いつの場合にも、速記の必要がなくなったわけではありません。
 完全な録音をとることは、完全な速記をとることと同じように、大変なことです。
 速記も録音も、甘く見てはいけません。
 国会のテレビ放送体制を確立するために、どれほどの設備投資がなされ、どれだけの人がつぎ込まれているのか、正確にはわかりませんが、相当なものだと思います。
 以前のように、速記だけだったときの方が、うんと安上がりだったと思います。
 速記を外して録音に失敗した場合、速記録の作成は完全にアウトです。
 速記を外して録音に失敗した場合、誰が会議録に対して責任をとるのでしょうか。
 マイクの近くの音は録音されるけれども、マイクから離れたところの音は、よく入っていない場合があります。
 人の耳は、5メートル離れても10メートル離れても聞こえるのですが、マイクは1メートル以上離れてしまうと、きちんと録音されません 。
 映像も、対角線上の4方向から4台の大型カメラによって4人のカメラマンがリモコン操作によって撮影しているから失敗の少ない映像を送ることができるのですが、1台で1方向だけのカメラで録画をとった場合には、映像切れやピント外れを起こしたりします。
 発言者が変わったとき、カメラを動かすとき、被写体をちゃんとキャッチできないときがあります。
 ポータブルのビデオの場合、電池が切れたり、ディスクやテープがなくなったときに映像切れがおこります。
 速記を外す場合、絶対に録音切れ、映像切れを起こしてはなりません。
 今まで、速記していればキャッチできた音も、録音だけでは、相当欠落なりカットがなされているのではないかと思われます。
 みんながそれで良いと納得してやっている以上、それが完全なものでなくても通用してしまうわけです。
 国会速記を外したからといって、どこもかも速記を外してよいというわけではありません。
 テレビ放送のない会議においては、今までどおり速記が必要です。
 その日の速記録をその日のうちに印刷しなければならないような場合も、資料請求や問い合わせ等、機敏な対応が求められますので、やはり速記者が現場に出て速記することになると思います。

2009年6月16日火曜日

速記を書くことと速記録を作ること

 速記を書くということと、速記録を作るということは、似ているようで全く正反対のことである。
 すなわち、速記を書くということは、書くという作業をできるだけ少なくしようとするものであり、速記録を作るということは、反対に、大量の文字を書こうとするものである。
 速記を学ぼうという人は、たくさん文字を書こうとしようとする人ではない。できるだけ書くことを避けようとする人、できるだけ書かないようにしようとする人が速記を学ぶ人である。書くことを苦とは思わない人は、速記に興味がわかないのである。
 だから、本当は、速記録の作成は、速記に興味のない人、書くことを苦とは思わない人にさせればよい仕事なのである。
 人が3画で書くものを1画で書くことによって、書くという作業を3分の1に軽減しようというのが、速記の発想であり、そういう考え方に立つ人が速記を学ぼうとする人である。
 一方、速記録を書くというのは、大量の文字を書くということであり、全く速記とは矛盾する行為なのである。速記録の作成は、10分間で3200字、1時間だと2万字にも及ぶのである。
 しかし、速記が書けると、大量の文字を書くことも苦ではないことから、速記録の作成は速記が書ける速記者に任せればよいということで、速記者の仕事として任されてきたのである。
 普通の文字で大量の文字を書くことは不可能であり、書く量を最少にすることができる速記者だからこそ、大量に文字を書く速記録の作成ができたのであり、それが速記者の仕事とされてきたのである。
 速記者に速記を書くなと言うのは、便利なものを捨てて不便な生活に戻れと言うことであり、電車で通勤している者に歩いて通勤しろと言うようなものである。全く馬鹿げたことだから、便利な技術は大切に守っていかなければならない。

2009年6月15日月曜日

美酒

 きのうは、酒の会に出席しました。
 タイ料理はとてもおいしかったので、また食べたいと思います。
 きょうは、少し疲れていたので、名古屋の速記懇談会は欠席することにしました。
 そのかわり、神宮球場で行われた、全日本大学野球選手権を見に行きました。
 5-1で、わが母校・法政大学が、富士大学に勝って、優勝しました。
 そのため、勝利の美酒ということで、きょうもまた、生ビールを2杯飲んでしまいました。

2009年6月9日火曜日

 選挙制度改革

 平成19年参議院通常選挙のいわゆる1票の格差は4.86倍だった。
 何でこんなひどいことになるのだろう。
 国会議員は、日本国民全体の代表であり、各地域の利益代表ではない。
 地域のことは、都道府県議会議員なり市区町村議会議員に任せてほしい。
 国会議員は、地域の利益よりも、国全体の繁栄を考えてほしい。
 国会議員の選出に当たっては、1票の格差をなくしていかなければならない。
 国民一人一人の権利を平等に扱わなければならない。
 参議院の定数は、242である。3年ごとに、半数ずつ改選されている。
 全国を121の選挙区に分割すればよいのである。
 それぞれの選挙区有権者の数を同数にするべきだ。
 参議院議員選挙有権者全体の数を121で割れば、1選挙区当たりの有権者の数が出る。
 選挙区は、市区町村を基本にして分けるが、割り切れない場合は、市区町村をさらに細かく分割し、1票の重みを平等にすべきである。
 住民票に基づいて、一人一人について、121ある選挙区のどの選挙区に該当するかという選挙区割りを決めればよいのである。
 国政選挙に際しては、都道府県や市区町村の枠組みにとらわれ過ぎてはならない。
 121の選挙区から、それぞれ1人を選出するというのが、1つの選出方法だろう。
 都道府県、市区町村とは切り離した形で、新たな選挙区割りを実施して、平等な選挙を実現すべきである。
 都道府県、市区町村の枠組みにとらわれていると、1票の格差が4.86倍という法外な結果になる。住民票に基づいて、121の選挙区に平等に有権者を分配すれば、公平公正な国政選挙を実施することができる。
 また、地域の代表ではなくて、国民全体の代表を選ぶという観点からすれば、地方区をなくして、全国区で得票上位121人を当選者とするというやり方も成り立つ。
 そうすれば、選挙区を分ける必要はないし、国民一人一人の1票の価値が完全に平等になる。選出された議員も、地区の代表ではなくて、国民全体の代表という意識を持てる。
 国会議員を地区ごとに選ぶと、自分の地区以外から選出された他の地区の議員に対して意見が言いにくい。国民全体の代表という形をとるならば、国民の誰もがどの議員に対しても自由に意見や要望を言うことができる。
 地区代表ということになると、他地区の人間は遠慮せざるを得ない。自分の地区から選ばれた議員を頼りにせざるを得ない。
 国際問題なんかは、日本のどこに住んでいるかなんて、関係ない。
 この際、国会議員は、国民全体の代表であるという方向を鮮明に出していくべきではないだろうか。
--------------------------------------------------------

 第71回速記懇談会

 第71回速記懇談会のお知らせ

 速記に関心を持つ同好の士が集まり、速記、日本語、ワープロ、パソコ
ン、各種記録システム等について自由な雰囲気で語り合う会を催しておりま
す。
 参加・傍聴は自由にできますので、多数ご参加ください。
  時   2009年6月14日(日)午後0時30分~4時15分
  場所  名古屋市公会堂第1集会室(JR中央線鶴舞下車、徒歩5分
   程度。JR名古屋駅中央線に乗りかえ、7番線の12時3分/10分
   /18分の快速普通列車に乗車。7分程度)
  参加費 会場費、資料作成費等として実費をご負担いただきます。
     (2,500円程度になるかと思いますが、未定です)
--------------------------------------------------
第71回テーマ
1.パソコンの音の聞き比べ 加古修一
  パソコンがトランスクライバーとして使われるようになり、その音質
 の差が意外に大きいことに改めて驚いています。数台のパソコンで音の
 聞き比べをしてみたいと思います。(2月の懇談会の積み残しです)
2.V式五十音符号の長短2種化の試みについて(従来方式と併用できる
 ミニ符号)                       小谷征勝
  発想内容としては、「ハ・マ・ヤ行」にサインをつけて短線にすると
 いうものです。
3.最近の蔵書検索で見えてきたこと            荒木 章
4.パソコントラブル解決編(資料参加)          片岡聖子
  10年間ノートに書きためたパソコントラブルの自力解決です。
5.松田謙次郎編「国会会議録を使った日本語研究」(ひつじ書房、税別
 5000円)を読む
   -----------------------------------------------------
 資料準備の都合がありますので、ご出席いただける方は6月11日(木曜
日)までにご連絡をお願いいたします。お問い合わせ、参加申し込みは、
  〒476-0011 東海市富木島町北島17  加古修一まで
 TEL 052-603-4086 FAX 052-601-6343 E-Mail YQB02710@nifty.com
 ここ数回、当日参加はできないけれども、会合の内容を知りたいという方
に対しての不在参加のお取り扱いを中止してまいりましたが、復活したいと
思います。今後は、やり取りについてはデジタル音声を、資料についてはP
DFなどを、宅ふぁいる便を使って送るようにしたいと思います。不在参加
費用は2,500円程度としたいと思いますが、未定です。会合の内容について
関心のある方はお申し出ください。
開成高校  浦和高校  春日部高校 越谷北高校 川越高校
埼  0( 0)埼 13( 5)埼 13( 8)埼35(31)埼 21(13)
筑  6( 4)筑 32(14)筑 11( 9)筑12(10)筑 11( 7)
千 15(10)千 28(17)千  9( 7)千10( 6)千  7( 2)
国  1( 0)国 12( 3)国  5( 2)国 2( 2)国  4( 1)
東138(84)東 36(18)東  9( 5)東 0( 0)東 10( 6)
早216(88)早128(32)早 71(32)早32(20)早147(52)
慶171(70)慶 79(17)慶 36(20)慶 3( 3)慶 36(18)
法  4( 0)法 24( 5)法 41(28)法37(32)法 51(19)
明 25( 3)明143(15)明110(66)明71(53)明132(53)
立 10( 1)立 46(11)立 70(35)立54(43)立 91(40)

2009年6月7日日曜日

文化祭

 きょうは、10時45分から、吹奏楽の演奏があった。

 次に、ロボットによるサッカーの試合を2時間ぐらい見た。

 次に、将棋をした。4勝1敗1分だった。

 最後に、校庭でのフォークダンスや太鼓、ソーラン節の踊りを見た。

 最近、学校では、フォークダンスを教えていないのだろうか。みんな下手だった。

 きのうは、手相を見てもらったりした。

 きのう入った模擬店では、ジュースとデザートで100円だった。

 きょう入った模擬店は、レモンサイダーが40円、プリンが30円だった。

 校内は物価が安い。自動販売機も、いろんな飲み物が100円で売られている。

 2日間天候に恵まれ、良い文化祭だった。

2009年6月6日土曜日

無在呼麒麟自由

2009-06-06 無在呼麒麟自由
 きょうは、無在呼麒麟自由を4本飲みました。
 瓶の無在呼麒麟自由を飲んだのは、きょうが初めてです。
 無在呼麒麟自由は、安心して飲める飲み物です。
 無在呼麒麟自由とは、何でしょうか。

速記存亡の時

 速記の仕事は、数社による寡占と行き過ぎのダンピングが問題になっている裁判所入札関係が3万5千時間、全国の議会、会社、学校、個人、その他を合わせれば50万時間以上あるものと思われます。
 裁判所速記官養成も国会速記者養成もなくなり、民間の速記学校の学生も大幅に減っていますが、日本の速記の仕事は、これから大丈夫なのでしょうか。テレビがあれば速記は要らない、速記者の養成も必要ないと言い切れるのでしょうか。
 【セミナーに参加して】
 私は、5月21日に、「士業のためのプロフィール作成講座」に参加させていただきました。
 弁理士税理士行政書士司法書士社会保険労務士環境管理士速記士、ライター、ディレクターといった人が集まりました。
 一口に「士業」といっても、さまざまな仕事があり、それぞれの仕事情報を聞けて、大変勉強になりました。
 「士業のためのプロフィール作成講座」では、2人で組んで、お互いに相手の話を聞いて、書き取った内容をみんなの前で発表するという練習をしました。
 私が、一緒に組んだパートナーの話を、速記で書き取って、細かい部分も正確に漏らさず発表したのを見て、速記の便利さを痛感されたのでしょうか、懇親会のときに、速記を勉強したいと言われた方が何人かおられました。
 速記の基本的な書き方について、御案内できる機会があればと思いますが、とりあえず、私のホームページ速記の書き方」をごらんいただきたいと思います。
 実際に速記文字を書いてみてください。速記の面白さ、便利さは、書いてみないとわかりません。
 速記は、人の話を、聞いて書いては読み返す、聞いて書いては原稿にするということを行います。聞きっぱなし、書きっぱなしではなく、聞いて書いたことを発表することができます。
 【テレビから直接タイピング
 参議院では、約1年間の試行期間を経て、2009年2月2日から、速記録を作成する方式が、テレビを見て直接JISキーボードタイピング入力する方式に変わりました。
 委員会室の4隅上部には、4台の大きなテレビカメラが設置されています。カメラマンは別室でリモコン操作により撮影しています。このテレビカメラの映像と、1つの座席に1台あるマイクから送られてくる音声を使って速記録を作成しています。
 速記を用いない方式になったので、一般職の職員でも速記録を作成することができます。毎年、職員の意向調査があって、自分の希望する仕事ができるシステムになっています。一般職速記録作成業務に従事したい人がいれば、速記録作成業務に従事することができます。新人か中堅かベテランかとか、男か女かとか、Ⅰ種かⅡ種かⅢ種かとか、そういうことではなくて、速記録作成業務に従事したいという志があるかどうかが問題です。
 速記の事務量は、衆議院が1800時間、参議院が1700時間程度です。
 人の話は、10分間で3200字、1時間で2万字程度になります。
 私は、高校2年生のとき、昭和44年に父親からソニーカセットテープレコーダーを買ってもらいました。テープレコーダーがあっても、速記がなくなるなどとは夢にも思いませんでした。迷わず速記の道を歩んできました。
 先輩方も、録音はあくまでも速記の補助だと言って、速記を守ってこられました。録音は必要ですが、現場で速記しないとわからないことがいっぱいあるし、よく聞こえないこともあります。録音が入っていないこともありますので、良心的な仕事をするためには、録音は速記の補助だと位置付けて、現場で速記しなければなりません。
 現場取材は大切です。
 自分が現場で見たり聞いたりしたことは、自信を持って書くことができますが、テレビや録音などから間接的に得た情報は、確信を持って書くことができません。
 私は、速記に幾度となく助けられてきました。
 速記 が書けると、人の話をすべて書き取ることができます。そしてすぐに、どの部分からでも読み返すことができます。
 速記が書けないと、その場で覚えなければなりません。自分の理解力、記憶力に頼らざるを得ません。
 人の話を人に伝えなければならないとき、一生懸命聞いても、すぐに右から左に消えていきます。書こうにも書けませんから、十分に伝えることができません。
 速記が書けると、細かいところまで漏らさず正確に書き取れますから、人の話を正確にスムーズに伝達することができます。精神的にも余裕を持って対応することができるのです。
 録音機は、音を記録する機械であって、人の話を文字化、文章化する機械ではありません。
 自分の考えたことを書くにしても、人の話を書くにしても、文章を書くのは人間の頭だと思います。決して、人の話の文字化、文章化は、機械の力だけでできるものではありません。
 【速記教育の再開はあるか】
 速記は、人の話を、一言一句すべて書き取ることもできますが、必要な部分を選んで書き取ることもできます。
 取材の際に、速記が書ければ便利です。
 速記がすらすら書けるようになるには、相当の練習を必要としますが、短期間の練習でも、使えるようになると思います。
 速記は、点、直線、円、円弧、楕円、楕円弧を用いて文章を書くものです。
 速記文字は、この世で最も簡単に最も速く書ける文字のことです。1音を1画で書くことが原則です。1つの言葉を1筆で書くことができますので、速く書き取ることができるのです。
 省略法や省略符号も使いますが、最も大切なのは基本文字です。
 私は、改良した速記の書き方を普及させようと、昭和60年4月から、最寄りの公民館速記を教えてきました。
 テレビがあれば速記は必要ないということで、衆参の速記者養成所は廃止されましたが、速記教育が見直される時は必ず来ると思います。
 今、私がやるべきことは、速記のテキストをきちんと整備しておくこと、学生の間に速記を普及させることではないかと思います。今後、文部科学省教育の中に取り入れられるようなレベルにまで速記教育を高めていかなければなりません。
 【会議録発行の遅延】 
 速記をとらなくなって、会議録の発行が遅れるケースがふえています。会議録は、疑問点、問題点を克服して、大丈夫、間違いないと判断されたとき、初めて発行されることになります。疑問点、問題点の解消が、現場に出て速記していないために、今までより手間取っているといいますか、遅くなっているのではないでしょうか。
 会議録の発行は、滞りなく、迅速に行われなければなりません。
 速記者が現場に出ていれば、これはすぐに問い合わせをしなければならないとか、これはすぐに資料の要求をしなければならないとか、この言葉とこの言葉の間に委員長が交代したとか、何時何分から何時何分まで速記中止になったとか、何時に開会して何時に散会したとか、その場でわかりますが、現場に出ていないと反訳するまで何もわからないわけです。何本も反訳がたまっている場合、そのことに気付くのに何時間も何日もかかることになります。
 速く反訳すれば早く発行できるというものではなくて、速く疑問点や問題点を解決したときに早く発行できるわけです。速記には、会議録を早く発行する力があると思います。速記の価値をいま一度見直してみる必要がありそうです。

会議録の発行

 【速記
 速記者が速記も書かず、録音に頼って速記録を作るようなことをしていれば、ろくな結果にはならない。
 「速成」という看板とは裏腹に、「お速成」という非難を浴びることになるだろう。
 速記はスポーツのようなもので、書かなくなれば書けなくなる。
 書かなければ、いつか、書けなくなって愕然とする日が来る。
 手書き反訳時代、先輩が、通常国会が終わる頃になって、ようやく調子が出てきたと言っていた。それは冗談ではなくて、書いて、書いて、書き込んで、ようやく本調子になる。
 速記者は、速記を書くことを避けてはならない。
 【テレビ】
 速記者を必要としているのは、衆議院参議院だけではない。
 2千近くある全国の都道府県議会、市区町村議会も、同じように速記者を必要としている。
 議会以外にも、速記者の需要はいろいろある。
 省庁、裁判所、会社、学校、個人等からの需要もある。
 しかし、衆参は、衆参だけのことを考えて速記者を養成していた。
 全国の都道府県、市区町村も、自前の速記者養成機関を持とうとはしなかった。
 大学も、速記学部とか速記学科とか速記という科目を設置しようとはしなかった。
 衆参は、沖縄消防庁からの依頼を受けて速記者を育てたこともあったが、全国的な視野に立っての速記者養成はしなかった。
 今回も、速記者を養成しなくても何とかなりそうだという内輪の事情だけで、養成所が廃止された。
 国会のテレビシステムが完成したのだ。
 国会首脳は、テレビがあれば速記は必要ないと考えた。
 委員会室の四隅上部に4台の大きなカメラを設置し、1つの座席に1台のマイクを置いて、一度に10本以上の委員会が開かれても、同時にテレビ放送する体制が整った。
 録音、録画を保存することは簡単だが、会議録を作成するのは、手間暇がかかる。
 速記者を養成しなければならない。
 速記を書かなければならない。
 速記原稿を作成し、疑問点、問題点を解決して、ミスのない会議録を迅速に発行しなければならない。そしてそれは、幾ら手間暇がかかっても、最低限、継続していかなければならない。
 録音機器、録画機器、ワープロ・パソコンの発達により、手書き反訳時代、あるいは録音のない時代に比べれば、それでもずっと速記録の作成作業は楽になったはずである。さらに、音声認識や文字認識を上手に利用すれば、さらに、速記録の作成は楽になるはずである。しかしまた、それ以上を望むべきではない。文章を書くのは人間の頭だから、合理化するにも限界がある。幾ら機械が発達しても、最低限の努力は今後も必要である。
【発行】
 会議録は、早く発行されるのが、理想である。
 要求されるスピードによって、第Ⅰ種会議録から第Ⅴ種会議録まで、分けて考えればどうだろうか。
第Ⅰ種会議録 会議の翌日に発行する会議録
 月曜日→火曜日、火曜日→水曜日、水曜日→木曜日、木曜日→金曜日、金曜日→月曜日。
第Ⅱ種会議録 会議の3日後に発行する会議録
 月曜日→木曜日、火曜日→金曜日、水曜日→月曜日、木曜日→火曜日、金曜日→水曜日。
第Ⅲ種会議録 会議の5日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
第Ⅳ種会議録 会議の10日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
第Ⅴ種会議録 会議の15日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
 会議録は、正確に作成され、迅速に発行されなければならない。
 会議録速成システムは、正確な会議録を迅速に発行するために考えられたシステムである。「お速成」とか「お速載」と言われないようにしなければならない。