2013年02月10日の川内優輝選手
2月3日の別府大分毎日マラソン。
川内優輝選手は実力のあるところを見せた。
レースを面白くしたのが、ロンドン五輪6位の中本健太郎選手だった。
レースは、予定の5km15分10秒より少し遅れて進んだ。
28km手前で中本選手が前に出た。
それに反応したのが川内選手。
そこから、お互いにスパートをかけ合う積極的な戦いが始まった。
決着は残り1.6kmのところでついた。
「11年の世界選手権に出たとき、ケニア勢やエチオピア勢が給水を利用してスパートをしていた。」と語っていた川内選手。
給水を取ると一気にスパートをかけて、2時間08分15秒で優勝した。
中本選手も2時間08分35秒。
瀬古利彦の記録2分08秒27を抜き、中山竹通と並んだ。
日本陸連の酒井勝充強化副委員長は「マラソンは気持ちで走ることをみせてくれた」と高く評価した。
宗猛長距離・マラソン部長も「久々に見応えのあるレース。」と明るい表情を見せた。
川内選手の武器は、きつい場面を気持ちで押し切る強さ。
「小学生の頃は毎日母親に連れられて、公園でタイムトライアルをしていました。」
「最後まで全力で走りきらないと叱られたので、それが今、最後まで全力を出せる要因かもしれない。」と語る。
気持ちの強さに、豊富なレース経験と、「常に全力で走り切ろう」という姿勢がある。
「マラソンというのはレース経験が大事。」と話す。
アフリカ勢が集団の前に出て確実に給水ボトルを取っているのを参考にして、今回はすべて成功させた。
昨年12月02日の福岡国際マラソンに出場。
2週間後の16日に防府読売マラソンで優勝。
1月13日に谷川真理ハーフマラソンで優勝。
1月18日にはエジプト国際マラソンで優勝。
20日には県庁チームの一員として埼玉県駅伝に出場。
27日に奥むさし駅伝に出場。
中6日の別大マラソンで優勝。
その過酷さを新聞は「化け物」と表現した。
川内選手は、通常のポイント練習を水曜日の練習と、土曜日か日曜日のレースで行っている。
その間をジョギングでつなぎ、疲労をうまく抜いている。
レースを利用して走力とタフさを身につけ、1回1回の練習に集中することで、結果を出している。
五輪が掛かった2012年の東京マラソンは、序盤から硬さが見えて、中盤から失速した。
今回の別大での勝利は大きい。
力みもなくうまく走り、中本選手との併走を制して、自己新を出した。
これは大きな自信になる。
「いろいろ磨いてきた技術と経験を生かせた。海外のレースも経験して積極的になれた。」と話した。
25歳なので、これからも期待できる。
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