2011年11月5日土曜日

2011年11月5日 字数計算について

 速記問題における字数計算方法について

 10分間3200字といっても、ひらがなばかりの3200字と漢字ばかりの3200字では、難易度に大きな差が出ます。また、縦書きで書くか横書きで書くかによって字数は異なってきます。さらに、用字例の違いによっても字数は変わってきます。
 東京速記士会A級は10分間3200字とされていますが、一字空け、(了)を含む字数は3244字で、漢字を全てひらがなに置き換えますと4043字ありました。
 日本速記協会主催の高速度速記競技会は、句読点等を含めますと10分間当たり3700字になり、漢字をひらがなに置き換えますと10分間当たり4660字にもなりました。
 字数無制限ならともかく、分速350字5分間とうたっている以上は、問題が難しくなり過ぎないように、一定の歯止めを掛ける必要があるのではないかと思います。
 具体的には、3200字の場合に3800音程度、3500字の場合には4100音程度に抑えるべきではないかと思います。
 そして、出題者は「当たり外れ」がないように、試験問題の難易度を一定に保つように工夫する必要があると思います。問題を作ったら、作るだけではなくて、書ける問題かどうか、自分でも録音して速記してみるぐらいの配慮が必要かと思います。

 速記日本一決定戦(平成23年高速度速記競技会)
 2011年10月22日早稲田速記専門学校14:30~

【日本速記協会式字数計算方法】=句読点、中点、一字空け、括弧等を除去して計算。
(今回、一字ダッシュは字数に勘定されていた。)

きょうは日本の鉄道についてお話ししたいと
思います我が国に最初に鉄道が敷かれたのは
明治時代の初めごろのことでありました車両
も技術も当時のイギリスから輸入されたもの
でありました新橋-横浜間が日本における最
(100)
初の路線でありましてそのことを記念いたし
ましてJR新橋駅前にはSLが展示されてい
るわけであります我が国は平地が少ない地形
でありますので工事を行う際におきましては
大変な困難があったわけでありますその建設
(200)
に当たりましては江戸時代までに培われてお
りました日本の土木技術が大いに役立ったわ
けでありますこのころアメリカでは既に長距
離路線が完成しておりまして日本はまだまだ
欧米にはおくれをとっていたのでありますし
(300)
かしその後急速にその建設が進みまして最初
の開業から約二十年後には現在でいうところ
の東北本線東海道本線が完成していたのであ
りますそのころの日本の主要輸出産業になっ
ておりました生糸の生産地とその輸出港を結
(400)
ぶ路線は明治維新以後の日本の発展を支える
上におきまして重要な役割を果たしたと言わ
れているわけでありますまた時間の概念や公
共の場におけるマナーを日本に普及させる上
で重要な意味があったと指摘する意見もある
(500)
ところであります我が国は明治時代に外国と
の二度の大きな戦争を経験いたしましたがそ
のときに物資や兵員の輸送におきまして鉄道
が大いに活用されたことに当時の政府は注目
いたしましたそのことによりまして明治の終
(600)
わりごろにはそれまで多くのシェアを占めて
おりました私鉄のほとんどが法律によりまし
て国有化となったわけでありますその後鉄道
省という官庁が政府に設置されますと国有化
されました路線は省線と呼ばれるようになり
(700)
ましたこのころまでには一部の区間におきま
しては単線であったものが複線化されました
り電化されましたり急行運転が開始されたり
もいたしました太平洋戦争が終わりましてか
ら数年後には国鉄が発足いたしましたその国
(800)
鉄が開発いたしました東海道新幹線は東京-
大阪間の移動時間をそれまでよりも大幅に短
縮させまして日本の高度経済成長を支えたの
でありますしかし非効率な経営を行っており
ました国鉄の赤字が徐々に拡大いたしまして
(900)
昭和の終わりごろになりますと行政改革の一
環といたしまして地域ごとに分割されました
JRに組織再編されることになりましたJR
になりましてから経営を効率化させるために
赤字路線から撤退いたしましたり不動産業な
(1000)
どへの多角化経営を行ったりいたしまして大
幅な黒字を達成する地域会社も出ましたが北
海道九州四国にあります三島会社の経営はま
だまだ楽ではないようでありますさらに飛行
機との競争も激しくなっておりまして寝台列
(1100)
車などは国鉄時代と比べて激減してしまった
ところであります日本の鉄道のダイヤの過密
性と時間の正確性は国際的にも突出している
と思うのであります都市部におきましては朝
の通勤電車におきまして二分から三分置きに
(1200)
電車が走行している区間も多いわけでありま
すがこれだけのダイヤをこれだけ少ない事故
で運行している国はそう多くはないと思うと
ころであります東海道新幹線のダイヤも過密
でありましてしかもあれだけの高速度で定時
(1300)
運転を行っている区間は世界でも類を見ない
ところであります車両についての技術も大変
に高いものがありまして素材を工夫すること
で車体を軽くいたしましたり省電力モーター
の開発などによりまして使用する電力量はだ
(1400)
んだん低くなっているわけでありますさらに
速度を余り落とさないでカーブを曲がること
ができるようにいたしましたり空気抵抗の少
ない車体を開発することによりましてスピー
ドアップを実現させているところであります
(1500)
数十年前に製造された日本の車両がアルゼン
チンやインドネシアなどにおきましていまだ
に現役で走っているのを見ましてもその優秀
さを証明しているのではないかと思うところ
であります日本の鉄道は海外に輸出された例
(1600)
はそれほど多くはないのでありますが長い歴
史と幅広い知見に裏づけされておりましてフ
ランスのTGVやドイツのICEに劣ること
はないと思うわけでありますアメリカブラジ
ルベトナムなど海外から鉄道を輸入しようと
(1700)
している国々があるのでありますからこれか
ら輸出品としての日本の鉄道に期待が寄せら
れるところであります(了)
(1750)+3
(10分間3500字)

【私の提唱している字数計算方式】問題文を崩さないで字数計算をする。句読点、中点、一字空け、一字ダッシュ、括弧等、文章を構成する要素、一升を必要とするものは全て字数として勘定する。

□きょうは、日本の鉄道についてお話しした
いと思います。□我が国に最初に鉄道が敷か
れたのは、明治時代の初めごろのことであり
ました。車両も技術も当時のイギリスから輸
入されたものでありました。新橋-横浜間が
(100)

日本における最初の路線でありまして、その
ことを記念いたしまして、JR新橋駅前には
SLが展示されているわけであります。我が
国は平地が少ない地形でありますので、工事
を行う際におきましては大変な困難があった
(200)

わけであります。その建設に当たりましては
、江戸時代までに培われておりました日本の
土木技術が大いに役立ったわけであります。
□このころ、アメリカでは既に長距離路線が
完成しておりまして、日本はまだまだ欧米に
(300)

はおくれをとっていたのであります。しかし
、その後、急速にその建設が進みまして、最
初の開業から約二十年後には、現在でいうと
ころの東北本線、東海道本線が完成していた
のであります。そのころの日本の主要輸出産
(400)

業になっておりました生糸の生産地とその輸
出港を結ぶ路線は、明治維新以後の日本の発
展を支える上におきまして重要な役割を果た
したと言われているわけであります。また、
時間の概念や公共の場におけるマナーを日本
(500)

に普及させる上で重要な意味があったと指摘
する意見もあるところであります。□我が国
は、明治時代に外国との二度の大きな戦争を
経験いたしましたが、そのときに、物資や兵
員の輸送におきまして鉄道が大いに活用され
(600)

たことに当時の政府は注目いたしました。そ
のことによりまして、明治の終わりごろには
、それまで多くのシェアを占めておりました
私鉄のほとんどが、法律によりまして国有化
となったわけであります。その後、鉄道省と
(700)

いう官庁が政府に設置されますと、国有化さ
れました路線は省線と呼ばれるようになりま
した。このころまでには、一部の区間におき
ましては、単線であったものが複線化されま
したり、電化されましたり、急行運転が開始
(800)

されたりもいたしました。□太平洋戦争が終
わりましてから数年後には国鉄が発足いたし
ました。その国鉄が開発いたしました東海道
新幹線は、東京-大阪間の移動時間をそれま
でよりも大幅に短縮させまして、日本の高度
(900)

経済成長を支えたのであります。しかし、非
効率な経営を行っておりました国鉄の赤字が
徐々に拡大いたしまして、昭和の終わりごろ
になりますと、行政改革の一環といたしまし
て、地域ごとに分割されましたJRに組織再
(1000)

編されることになりました。□JRになりま
してから、経営を効率化させるために、赤字
路線から撤退いたしましたり、不動産業など
への多角化経営を行ったりいたしまして、大
幅な黒字を達成する地域会社も出ましたが、
(1100)

北海道、九州、四国にあります三島会社の経
営はまだまだ楽ではないようであります。さ
らに、飛行機との競争も激しくなっておりま
して、寝台列車などは国鉄時代と比べて激減
してしまったところであります。□日本の鉄
(1200)

道のダイヤの過密性と時間の正確性は国際的
にも突出していると思うのであります。都市
部におきましては、朝の通勤電車におきまし
て、二分から三分置きに電車が走行している
区間も多いわけでありますが、これだけのダ
(1300)

イヤをこれだけ少ない事故で運行している国
はそう多くはないと思うところであります。
東海道新幹線のダイヤも過密でありまして、
しかも、あれだけの高速度で定時運転を行っ
ている区間は世界でも類を見ないところであ
(1400)

ります。□車両についての技術も大変に高い
ものがありまして、素材を工夫することで車
体を軽くいたしましたり、省電力モーターの
開発などによりまして、使用する電力量はだ
んだん低くなっているわけであります。さら
(1500)

に、速度を余り落とさないでカーブを曲がる
ことができるようにいたしましたり、空気抵
抗の少ない車体を開発することによりまして
、スピードアップを実現させているところで
あります。数十年前に製造された日本の車両
(1600)

がアルゼンチンやインドネシアなどにおきま
していまだに現役で走っているのを見まして
も、その優秀さを証明しているのではないか
と思うところであります。□日本の鉄道は、
海外に輸出された例はそれほど多くはないの
(1700)

でありますが、長い歴史と幅広い知見に裏づ
けされておりまして、フランスのTGVやド
イツのICEに劣ることはないと思うわけで
あります。アメリカ、ブラジル、ベトナムな
ど、海外から鉄道を輸入しようとしている国
(1800)

々があるのでありますから、これから輸出品
としての日本の鉄道に期待が寄せられるとこ
ろであります。(了)
(1850)
(10分間3700字)

【私の音数計算方式】漢字等をひらがな、カタカナに変換して計算する。句読点、中点、一字空け、一字ダッシュ、括弧等、文章を構成する要素、一升を必要とするものは全て音数として勘定する。

□きょうは、にっぽんのてつどうについてお
はなししたいとおもいます。□わがくににさ
いしょにてつどうがしかれたのは、めいじじ
だいのはじめごろのことでありました。しゃ
りょうもぎじゅつもとうじのイギリスからゆ
(100)

にゅうされたものでありました。しんばし-
よこはまかんがにっぽんにおけるさいしょの
ろせんでありまして、そのことをきねんいた
しまして、JRしんばしえきまえにはSLが
てんじされているわけであります。わがくに
(200)

はへいちがすくないちけいでありますので、
こうじをおこなうさいにおきましてはたいへ
んなこんなんがあったわけであります。その
けんせつにあたりましては、えどじだいまで
につちかわれておりましたにっぽんのどぼく
(300)

ぎじゅつがおおいにやくだったわけでありま
す。□このころ、アメリカではすでにちょう
きょりろせんがかんせいしておりまして、に
っぽんはまだまだおうべいにはおくれをとっ
ていたのであります。しかし、そのご、きゅ
(400)

うそくにそのけんせつがすすみまして、さい
しょのかいぎょうからやくにじゅうねんごに
は、げんざいでいうところのとうほくほんせ
ん、とうかいどうほんせんがかんせいしてい
たのであります。そのころのにっぽんのしゅ
(500)

ようゆしゅつさんぎょうになっておりました
きいとのせいさんちとそのゆしゅつこうをむ
すぶろせんは、めいじいしんいごのにっぽん
のはってんをささえるうえにおきましてじゅ
うようなやくわりをはたしたといわれている
(600)

わけであります。また、じかんのがいねんや
こうきょうのばにおけるマナーをにっぽんに
ふきゅうさせるうえでじゅうようないみがあ
ったとしてきするいけんもあるところであり
ます。□わがくには、めいじじだいにがいこ
(700)

くとの二どの大きなせんそうをけいけんいた
しましたが、そのときに、ぶっしやへいいん
のゆそうにおきましててつどうがおおいにか
つようされたことにとうじのせいふはちゅう
もくいたしました。そのことによりまして、
(800)


めいじのおわりごろには、それまでおおくの
シェアをしめておりましたしてつのほとんど
が、ほうりつによりましてこくゆうかとなっ
たわけであります。そのご、てつどうしょう
というかんちょうがせいふにせっちされます
(900)


と、こくゆうかされましたろせんはしょうせ
んとよばれるようになりました。このころま
でには、いちぶのくかんにおきましては、た
んせんであったものがふくせんかされました
り、でんかされましたり、きゅうこううんて
(1000)

んがかいしされたりもいたしました。□たい
へいようせんそうがおわりましてからすうね
んごにはこくてつがほっそくいたしました。
そのこくてつがかいはついたしましたとうか
いどうしんかんせんは、とうきょう-おおさ
(1100)

かかんのいどうじかんをそれまでよりもおお
はばにたんしゅくさせまして、にっぽんのこ
うどけいざいせいちょうをささえたのであり
ます。しかし、ひこうりつなけいえいをおこ
なっておりましたこくてつのあかじがじょじ
(1200)

ょにかくだいいたしまして、しょうわのおわ
りごろになりますと、ぎょうせいかいかくの
いっかんといたしまして、ちいきごとにぶん
かつされましたJRにそしきさいへんされる
ことになりました。□JRになりましてから
(1300)

、けいえいをこうりつかさせるために、あか
じろせんからてったいいたしましたり、ふど
うさんぎょうなどへのたかくかけいえいをお
こなったりいたしまして、おおはばなくろじ
をたっせいするちいきがいしゃもでましたが
(1400)

、ほっかいどう、きゅうしゅう、しこくにあ
りますさんとうがいしゃのけいえいはまだま
だらくではないようであります。さらに、ひ
こうきとのきょうそうもはげしくなっており
まして、しんだいれっしゃなどはこくてつじ
(1500)

だいとくらべてげきげんしてしまったところ
であります。□にっぽんのてつどうのダイヤ
のかみつせいとじかんのせいかくせいはこく
さいてきにもとっしゅつしているとおもうの
であります。としぶにおきましては、あさの
(1600)

つうきんでんしゃにおきまして、二ふんから
三ぷんおきにでんしゃがそうこうしているく
かんもおおいわけでありますが、これだけの
ダイヤをこれだけすくないじこでうんこうし
ているくにはそうおおくはないとおもうとこ
(1700)

ろであります。とうかいどうしんかんせんの
ダイヤもかみつでありまして、しかも、あれ
だけのこうそくどでていじうんてんをおこな
っているくかんはせかいでもるいをみないと
ころであります。□しゃりょうについてのぎ
(1800)

じゅつもたいへんにたかいものがありまして
、そざいをくふうすることでしゃたいをかる
くいたしましたり、しょうでんりょくモータ
ーのかいはつなどによりまして、しようする
でんりょくりょうはだんだんひくくなってい
(1900)

るわけであります。さらに、そくどをあまり
おとさないでカーブをまがることができるよ
うにいたしましたり、くうきていこうのすく
ないしゃたいをかいはつすることによりまし
て、スピードアップをじつげんさせていると
(2000)

ころであります。すうじゅうねんまえにせい
ぞうされたにっぽんのしゃりょうがアルゼン
チンやインドネシアなどにおきましていまだ
にげんえきではしっているのをみましても、
そのゆうしゅうさをしょうめいしているので
(2100)

はないかとおもうところであります。□にっ
ぽんのてつどうはかいがいにゆしゅつされた
れいはそれほどおおくはないのでありますが
、ながいれきしとはばひろいちけんにうらづ
けされておりまして、フランスのTGVやド
(2200)

イツのICEにおとることはないとおもうわ
けであります。アメリカ、ブラジル、ベトナ
ムなど、かいがいからてつどうをゆにゅうし
ようとしているくにぐにがあるのであります
から、これからゆしゅつひんとしてのにっぽ
(2300)

んのてつどうにきたいがよせられるところで
あります。(りょう)
(2330)
(10分間にして4660音)

 合否や成績は、受験者の能力、受験者の年齢、速記法の優劣、受験者の練習量、受験者の調子、問題の内容、問題の難易度、朗読のうまい下手などによって変わりますが、朗読のうまい下手については、速記技能検定試験において、朗読を録音機による録音の再生に切り替えることによって平等化が図られようとしています。
 私は、生の声による朗読の方が望ましいと思います。速記の試験は生の声を自分の力でどれだけ正確に書き取ることができるかを見るためのものだと思うからです。生の声の方が朗読者の緊張感や迫力が伝わってきて良いと思います。しかし、朗読者によって朗読のうまい下手に個人差があり過ぎるので、録音再生の方が平等だという意見が強くなっています。
 もう一つ、問題の難易度の均質化については、字数だけでなく音数の基準も設けることによって、試験による当たり外れをできるだけなくし、問題の均質化が図られなければならないと思います。
 速記は、書かなくなれば書けなくなります。書かなくなれば読めなくもなります。もちろん、書き過ぎて腱鞘炎になる場合もあり、やり過ぎても駄目ですが、10分間3200字の試験に合格している人でも練習は継続すべきだと思います。速記能力を落とさないためにも、機械依存症にならないためにも、正確な速記録を作成するためにも、機械がどんなに発達しても現場の速記と速記者の養成と速記の練習は継続していくべきだと思います。
 何だかんだ言っても、会議室の中央で速記を書くのが、一番よく聞こえるし、一番よく見えるし、会議の状況もよく分かります。自分が頑張らなければ誰がやるんだというやる気や責任感も起こります。
 速記者の養成と採用をやめた場合に、速記録作成に向いた人をどういうふうに集め、どういうふうに育て、どういうふうに運営していくのか、非常に難しい話になると思います。
 プロでも能力はいろいろかもしれません。しかし、現在は10分間3200字ミス2%以内の試験の合格者で固めているので粒がそろっているわけです。速記の学習と速記の試験をなくしてしまうと、できる人とできない人との間の個人差がひどくなって、粒をそろえるということが非常に難しくなると思います。速記録作成者の安定供給ができなくなれば、良質で均質な速記録の作成も難しくなっていくのではないかと心配しています。

0 件のコメント:

コメントを投稿