東京速記士会主催速記競技大会A級(分速320字10分)の問題分析
2011年10月22日開催
□まずさいしょは、ことばのおはなしであり
ます。□ぶんかちょうがこくごにかんするち
ょうさをしたけっかがせんじつはっぴょうさ
れましたので、そのなかから、ことばのいみ
とかんようくについてのちょうさけっかをみ
(100)
てみたいとおもいます。□かんちがいしやす
いひょうげんのれいとしてよくあげられる「
なさけはひとのためならず」についてですが
、「ひとになさけをかけると、けっきょくじ
ぶんのためになる」というせいかいをしたひ
(200)
とと、そのはんたいのひとは、どちらもはん
ぶんずつだったそうであります。□また、「
あめもよう」というひょうげんにたいしては
、「あめがふりそうなようす」とただしくか
いとうしたひとはよんじゅうさんパーセント
(300)
で、「こさめがふったりやんだりしているよ
うす」とこたえたひとはよんじゅうはちパー
セントだったそうです。□それから、「こそ
く」ということばについて、「いちじしのぎ
」とせいかくにりかいしているひとは、わず
(400)
かじゅうごパーセントしかいなくて、「ひき
ょうな」といういみだとかいしゃくしていた
人がななじゅういちパーセントもいたという
ことであります。□さらに、「ごうきゅうす
る」というひょうげんを、「おおごえでなく
(500)
」とただしくかいとうしたひとはさんじゅう
よんパーセントであったのにたいして、「は
げしくなく」とこたえたひとがよんじゅうは
ちパーセントもいたそうであります。□いっ
ぽう、かんようくのれいをみてみると、「わ
(600)
ずかなじかんもむだにしない」といういみの
かんようくを「すんかをおしんで」でせいか
くにかいとうしたひとはにじゅうはちパーセ
ントだったのに、「すんかをおしまず」とは
んたいのいみにりかいしていたひとがごじゅ
(700)
うななパーセントもあったそうです。□また
、「まえにまけたあいてにかつ」というひょ
うげんをするばあい、「せつじょくをはたす
」といいますが、これを「せつじょくをはら
す」とりかいしているひともおおくいて、ぜ
(800)
んしゃがよんじゅうさんパーセントで、こう
しゃもよんじゅうよんパーセントということ
で、ほぼどうすうだったそうであります。□
それから、「することがなくなって、じかん
をもてあます」ことを「まがもてない」とせ
(900)
いかくにかいとうしたひとがにじゅうきゅう
パーセントだったのにたいして、「まがもた
ない」というひょうげんだときおくしていた
ひとは、ろくじゅういちパーセントもいたと
いうことであります。□なお、このちょうさ
(1000)
においては、どうじに、いわゆる“おやくし
ょことば”についてもいけんががもとめられ
ておりまして、はちわりいじょうのひとが、
「かんこうちょうのぶんしょはとくしゅなひ
ょうげんがおおくてこまった」というかいと
(1100)
うをしていたそうであります。□もっとも、
なんかいなこうようぶんは、わかりやすいひ
ょうげんにするようになっておりまして、「
あっせん」をいみすることばとして「こんせ
い」というひょうげんがあったそうですが、
(1200)
いまはほとんどなくなっているということで
あります。□また、「しょち」ではなく「そ
ち」というひょうげんは、あいかわらずたよ
うされているそうですが、こうようぶんこそ
ひろくいっぱんのひとびとにりかいしてもら
(1300)
うひつようがあるわけですから、かんたんな
ひょうげんにかえるべきであるとおもってい
るのであります。□それでは、つぎのわだい
にうつります。□みなさんもごしょうちのと
おり、おおずもうのせかいにおいてやおちょ
(1400)
うもんだいがせんじつはっかくしておおさわ
ぎになりました。□このもんだいについて、
みなさんはどうおかんがえでしょうか。□こ
のてんについて、もとおおずもうのゆうめい
なりきしだった人が「どひょうのむじゅん」
(1500)
というほんをしゅっぱんされていますので、
そのなかみをすこしごしょうかいしたいとお
もいます。□まず、「すもうはスポーツでは
ない」ということからはなしがはじまってい
て、すもうというのは、じんじゃのなかでの
(1600)
しんじであり、でんとうげいのうであるとと
もに、かくとうぎでもあるということで、ス
ポーツとはいえないというわけであります。
□つまり、スポーツというよりもこくみんの
ごらくのひとつだったといういちづけをして
(1700)
おられます。□ただ、かちまけをけっていし
、ばんづけをきめて、こうぎょうをおこなう
ときにはにゅうじょうりょうをとるわけです
から、これはスポーツだとりかいするひとが
おおいということで、スポーツはフェアであ
(1800)
るべきでやおちょうなどとんでもないという
きびしいひはんがおこってくるわけでありま
す。□すなわち、ふしょうじがおこると、「
すもうかいだけはおこしてほしくなかった」
とか、「こくぎなのだから」というひなんが
(1900)
ごうごうとおこるのですが、すもうかいだけ
せいれんけっぱくをもとめられるというのは
おかしいし、まして、すもうがこくぎだとは
どこにもきめられていないのです。□そして
、プロやきゅうのせかいにおいては、やきゅ
(2000)
うをとばくのたいしょうにすることや、やく
ぶつをしようすることはほうりつできんしさ
れていますから、それがはっかくするとだい
もんだいになりますが、やおちょうというの
はほうりついはんではないというわけです。
(2100)
□もちろん、いいかげんなすもうをとると、
きんちょうかんがなくなって、こうぎょうが
うまくいかなくなりますから、いっしょうけ
んめいすもうをとるひつようがあるというわ
けであります。□そのためには、たいじゅう
(2200)
をへらして、あしこしをしっかりきたえて、
しょうしょうのことではまえにたおれないよ
うにしないと、はくねつしたすもうができな
くなるので、りきしのひとたちはひび、せっ
さたくましてしょうじんするひつようがある
(2300)
とおもいます。□このようないけんをのべて
おられるわけですが、これにかんして、ゆう
めいなプロレスラーのおはなしをしょうかい
したいとおもいます。□この人は、「プロレ
スをできるだけながくつづけて、ファンのか
(2400)
たがたにたのしんでもらうため、じぶんはま
いにちきびしいトレーニングをして、けがを
しないようにさいだいげんのちゅういをはら
っている」とおっしゃっているのであります
。□つまり、オリンピックでおこなわれるレ
(2500)
スリングというきょうぎとはちがって、プロ
レスというのは、スポーツとしてではなくこ
うぎょうとしてあつかわれているわけですが
、プロレスラーのかたがたは、そういうきも
ちでまいにちすごしているというわけであり
(2600)
ます。□こんかいのやおちょうじけんをきっ
かけに、すもうかいもかんがえかたをかえて
はどうかとおもうのであります。□それでは
、さいごのわだいにうつります。□せんじつ
、ニュートリノというぶっしつがひかりより
(2700)
もはやくうごいたというそくていけっかが、
にっぽんのかがくしゃもさんかしているけん
きゅうグループからはっぴょうされたのであ
ります。□このニュートリノというのは、ぶ
っしつをこうせいするさいしょうたんいのそ
(2800)
りゅうしでありまして、これがこうそくをこ
えたということがしょうめいされれば、げん
だいのぶつりがくというものをこんていから
みなおさなければならないことになるそうで
あります。□つまり、「ぶったいのそくどは
(2900)
こうそくをこえられない」ということと、「
うんどうするぶったいではじかんがゆっくり
すすむ」ということになっておりまして、こ
れは、アインシュタインというゆうめいなか
がくしゃがていしょうしたもので、こういう
(3000)
じかんとくうかんのかんけいをしめすりろん
が、げんだいのぶつりがくのきほんりろんと
なっているからであります。□このこくさい
てきなけんきゅうグループは、じんこうてき
につくったニュートリノをはっしゃして、な
(3100)
なひゃくキロもはなれたばしょでそれをキャ
ッチするというじっけんを、このさんねんか
んでいちまんごせんかいもくりかえしたそう
であります。□そのけっか、びょうそくさん
じゅうまんキロとなっているひかりのそくど
(3200)
よりも、いちおくぶんのろくびょうはやくう
ごいていたということであります。□これが
もしほんとうにしょうめいされれば、どうい
うことになるかともうしますと、タイムマシ
ンというくうそうのきかいがげんじつみをお
(3300)
びてくるというはなしであります。□つまり
、アインシュタインのそうたいせいりろんで
は、ぶったいがひかりのそくどにちかづくに
つれて、じかんのながれはおだやかになりま
して、そうそくになるとかんぜんにとまって
(3400)
しまうわけであります。□そうすると、こう
そくをこえたばあいはどうなるかというと、
じかんがもどるかのうせいがあることから、
じくうをこえられるタイムマシンというきか
いをせいさくできるのではないかというわけ
(3500)
であります。□ところで、じゅうらい、この
そうたいせいりろんにたいしては、あらゆる
かくどからけんしょうがおこなわれておりま
して、ぜったいにあやまりはないとされてき
ましたが、こんかいのこのそくていけっかの
(3600)
はっぴょうをうけて、このニュートリノをつ
かってどうようのじっけんができるけんきゅ
うしょがせかいにはいくつかありますので、
そういうけんきゅうしょにおいてけんしょう
じっけんがおこなわれるようになるというこ
(3700)
とでありまして、そのけっかがどのようにな
るか、いまからひじょうにたのしみでありま
す。□なお、こんかいのじっけんにおけるも
んだいてんはなにかともうしますと、そくて
いにしようされたとけいのせいどだそうであ
(3800)
ります。□つまり、みなさんはGPSという
ことばをきいたことがあるかとおもいますが
、これは「えいせいりようそくいシステム」
というものでありまして、そもそもこのGP
Sのぎじゅつにもそうたいせいりろんがつか
(3900)
われているのであります。□したがって、そ
うたいせいりろんでもってそうたいせいりろ
んのもんだいてんをしてきするというような
ことはおかしいというかがくしゃのいけんも
あるわけであります。□それはともかく、か
(4000)
がくのせかいはこんごともすすんでいくため
、きょうみはつきないものであります。(り
ょう)
(4043)
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