裁判所の速記
速記には、ライティングとタイピングがあります。
裁判所の速記官は、タイピングで速記をとることができます。現場に出場してその場で人の話をタイピングにより一言一句すべて書き取ることができます。
裁判所の速記官が日本速記協会主催の速記技能検定試験の1級に合格した例はあります。日本速記協会主催の高速度速記競技会に出場して入賞した例もあります。タイピングでも350字5分間のスピードにたえて速記することができるということです。
裁判所の速記がタイピングであるのに対して、全国の議会の速記のほとんどはライティングです。
裁判所の速記には実績がありますが、JISキーボード搭載のパソコンを使って速記ができたという話はまだ聞いたことがありません。
反訳にJISキーボード搭載のパソコンを使うことは、今や当たり前になっていますが、JISキーボード搭載のパソコンを使って速記を書いて速記技能検定試験の1級に合格したという実績や、JISキーボード搭載のパソコンで速記を書いて高速度速記競技会で入賞したという実績はまだありません。
私も、方法はともかく、現場に出場して人の話をその場で一言一句すべて書き取ることができるのであれば速記であると言えると思います。
私が初めてワープロを買ったのは、昭和60年でした。秋葉原で22万円のワープロを1割引の20万円で買いました。職場の代議員ニュースに初めてワープロを導入したのは私です。それから25年の月日がたちました。
今や国民のタイピング能力はかなりの高水準にあります。単語登録等を駆使してタイピングで速記が書ける人がいてもおかしくはありません。
ちなみに、私は、日本商工会議所主催のワープロ検定の3級には合格したのですが、ワープロ検定の2級には、何回か挑戦したのですが、合格することができませんでした。
ワープロ検定の1級が10分間900字のスピードでした。
ワープロ検定の2級が10分間600字のスピードでした。
ワープロ検定の3級が10分間400字のスピードでした。
私のタイピング能力は、10分間500字程度です。
それに対して、日本速記協会主催の速記技能検定試験1級のスピードは、10分間3200字なのです。10分間500字程度の能力で10分間3200字が打てるはずがありません。ましてや分速350字5分間の高速度速記競技会で入賞できるわけがありません。
また、衆議院速記士補採用試験は、民間にも門戸が開かれていましたが、これの受験資格が「日本速記協会主催の速記技能検定試験の1級合格者であること」でした。それが最低の条件なのです。1級に合格していても、みんなが採用されるわけではありません。国会速記者の多くは、2年生の8月試験で1級に合格し、更に1年間練習した上で速記士補採用試験に臨んできたのです。
今後、JISキーボード搭載のノートパソコンを使って日本速記協会の速記技能検定試験の1級に合格する人が出てくることを期待しています。
今のところ、JISキーボード搭載のノートパソコンを使って速記技能検定試験の1級に合格した人は1人もいないと思います。まだ1級についてはパソコンの使用が認められていないということもありますが、それは反訳の手段としてのパソコンであって、速記のためのパソコン使用ならば、裁判所の速記官のタイプの使用に準ずるものとして、恐らく認められるのではないかと私は思います
議事進行
速記者は、国民を代表して会議を傍聴し、筆記しています。
速記者席は、一番よく聞こえるところに設置されています。
現場に出れば、マイクに入らない声もよく聞こえます。
マイクのないところからの発言、マイクのオフになっているところからの発言も聞こえます。
速記者は、発言を速記するだけでなくて、会議主宰者の指示を聞いて速やかな議事進行にも貢献しています。
2010年12月7日(火)皇居一周 28分44秒
東京国公マラソン大会のときの29分16秒より32秒速く走れました。
2010年12月8日(水)皇居一周 28分36秒
今日は、きのうより8秒速く走れました。
国会特別参観は終了しました。
速記は議会の基盤です。
テレビ朝日のシルシルミシルで速記が取り上げられたからでしょうか、HP速記の書き方のアクセス数が、トータルで39947人、12月1日が586人、12月2日が630人、12月3日が250人、12月4日が161人、12月5日が118人になりました。
ふだんは1日50人ぐらいですので、5日間で1745人の人に見てもらったということは大変な記録です。
12月4日(土)、12月5日(日)の2日間は、議会開設120年を記念して国会特別参観が午前8時から午後4時までの受付で行われました。
新議員会館が完成しましたし、国会の参観設備も良くなりました。新しい発見があったのではないでしょうか。
2日間とも雲1つない晴天に恵まれました。
私は、国会(土日)と憲政記念館(土日)と国会図書館(土)と法政大学のシンポジューム(土)の見学をしました。法政大学では、日曜日もシンポジュームが行われていました。大学間の交流や研究発表が活発に行われているようで、結構なことです。
①国会議事堂中央玄関(内、外) Central Entrance
開会式などで天皇陛下をお迎えするとき、選挙後に議員が初登院するとき、国賓などがおいでになるときに使います。
②二階中央広間 Central Hall
我が国議会制度の基礎を作った伊藤博文、板垣退助、大隈重信の銅像があります。
法隆寺の五重塔が入る高さがあります。
③大臣室 State Ministers' Room
閣議が行われる前に、大臣が集まる部屋です。
④参議院本会議場 Chamber of the House of Councillors
参議院議員全員が出席して行う本会議がここで行われます。
開会式もここで行われます。
議席が460席しかないので、国会議員全員が同時に座ることはできません。
⑤参議院議長応接室 Reception Room of the President's of the House of Councillors
議院の運営に関する事項を協議する議院運営委員会が行われます。
ここは委員会が開かれるのですがテレビ放送設備がありません。
議長が外国の賓客をお迎えする際にも使用します。
⑥参議院本会議場公務員席 Civil Servants' Gallery
議員秘書、衆参事務局職員、各省庁の職員等の傍聴席です。
⑦参議院第三委員会室 Committee Room No.3 of the House of Councillors
主に財政金融委員会が開かれます。
⑧参議院第二委員会室 Committee Room No.2 of the House of Councillors
⑨参議院第一委員会室 Committee Room No.1 of the House of Councillors
予算委員会や党首討論が開かれます。証人喚問などもここで行われます。
⑩御休所 Emperor's Room
天皇陛下が国会においでになった際使用します。
⑪皇族室 Imperial Family's Room
皇族方が国会においでになった際使用します。
⑫中央広間上部 Central Hall
中央広間吹き抜けの3階部分になります。
⑬衆議院議場公衆席 Public Gallery
一般の方の傍聴席です。
⑭衆議院第一委員室 Committee Room No.1 of the House of Representatives
予算委員会や党首討論が開かれます。証人喚問などもここで行われます。
参議院が第一委員会室と呼ぶのに対して、衆議院では第一委員室と呼んでいます。
⑮衆議院本会議場 Chamber of the House of Representatives
衆議院議員全員が出席して行う本会議がここで行われます。
⑯衆議院議長応接室 Reception Room of the Speaker of the House of Representatives
議院の運営に関する事項を協議する議院運営委員会が行われます。
議長が外国の賓客をお迎えする際にも使用します。
⑰退出 衆議院西通用門 EXIT
※要介助者用の特別参観コースは別にあります。
また、混雑した場合など、特別参観コースが変更される場合があります。
音声記録の録音、映像記録のテレビと違って、速記は文字記録です。用途が全然違います。
録音、録画があっても、現場で速記を取るべきです。速記者の養成も続けるべきです。
速記は今後も必要な技術です。是非勉強してください。
上司からの報告を受けて、すぐに正確に伝言できるのは、速記のおかげです。
速記者は速記に対して自信を持つべきです。
議会は国会だけではありません。全国の都道府県議会のことも全国の市区町村議会のことも考えて行動しなければなりません。
全国の議会の速記録の作成について今後の対応を真剣に考えなければなりません。
議会開設120年の最大の功労者は速記だと思います。
確かな記録が正しい未来を考えるための基盤になります。
120年間安定して議会が存在することができたのは、120年前の第一回帝国議会から速記を採用したからだと思います。
現場の速記を尊重することによって議会の安定した運営を継続することができると思います。
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