2011年10月23日日曜日

平成23年高速度速記競技会

 平成23年高速度速記競技会(速記日本一決定戦)

 日本速記協会主催。5分間1750字。出場者9名。

 35年連続37回目の出場をした。日本最高記録40回出場まであと3回となった。

 問題は少し難しかったようであるが、ノーミスの人もいるようだ。出場できなかった人も自分で録音して書いてみてください。

 2011年10月22日 早稲田速記専門学校 14:30~

 きょうは、日本の鉄道についてお話ししたいと思います。
 我が国に最初に鉄道が敷かれたのは、明治時代の初めごろのことでありました。車両も技術も当時のイギリスから輸入されたものでありました。新橋-横浜間が日本における最初の路線でありまして、そのことを記念いたしまして、JR新橋駅前にはSLが展示されているわけであります。我が国は平地が少ない地形でありますので、工事を行う際におきましては大変な困難があったわけであります。その建設に当たりましては、江戸時代までに培われておりました日本の土木技術が大いに役立ったわけであります。
 このころ、アメリカでは既に長距離路線が完成しておりまして、日本はまだまだ欧米にはおくれをとっていたのであります。しかし、その後、急速にその建設が進みまして、最初の開業から約二十年後には、現在でいうところの東北本線、東海道本線が完成していたのであります。そのころの日本の主要輸出産業になっておりました生糸の生産地とその輸出港を結ぶ路線は、明治維新以後の日本の発展を支える上におきまして重要な役割を果たしたと言われているわけであります。また、時間の概念や公共の場におけるマナーを日本に普及させる上で重要な意味があったと指摘する意見もあるところであります。
 我が国は、明治時代に外国との二度の大きな戦争を経験いたしましたが、そのときに、物資や兵員の輸送におきまして鉄道が大いに活用されたことに当時の政府は注目いたしました。そのことによりまして、明治の終わりごろには、それまで多くのシェアを占めておりました私鉄のほとんどが、法律によりまして国有化となったわけであります。その後、鉄道省という官庁が政府に設置されますと、国有化されました路線は省線と呼ばれるようになりました。このころまでには、一部の区間におきましては、単線であったものが複線化されましたり、電化されましたり、急行運転が開始されたりもいたしました。
 太平洋戦争が終わりましてから数年後には国鉄が発足いたしました。その国鉄が開発いたしました東海道新幹線は、東京-大阪間の移動時間をそれまでよりも大幅に短縮させまして、日本の高度経済成長を支えたのであります。しかし、非効率な経営を行っておりました国鉄の赤字が徐々に拡大いたしまして、昭和の終わりごろになりますと、行政改革の一環といたしまして、地域ごとに分割されましたJRに組織再編されることになりました。
 JRになりましてから、経営を効率化させるために、赤字路線から撤退いたしましたり、不動産業などへの多角化経営を行ったりいたしまして、大幅な黒字を達成する地域会社も出ましたが、北海道、九州、四国にあります三島会社の経営はまだまだ楽ではないようであります。さらに、飛行機との競争も激しくなっておりまして、寝台列車などは国鉄時代と比べて激減してしまったところであります。
 日本の鉄道のダイヤの過密性と時間の正確性は国際的にも突出していると思うのであります。都市部におきましては、朝の通勤電車におきまして、二分から三分置きに電車が走行している区間も多いわけでありますが、これだけのダイヤをこれだけ少ない事故で運行している国はそう多くはないと思うところであります。東海道新幹線のダイヤも過密でありまして、しかも、あれだけの高速度で定時運転を行っている区間は世界でも類を見ないところであります。
 車両についての技術も大変に高いものがありまして、素材を工夫することで車体を軽くいたしましたり、省電力モーターの開発などによりまして、使用する電力量はだんだん低くなっているわけであります。さらに、速度を余り落とさないでカーブを曲がることができるようにいたしましたり、空気抵抗の少ない車体を開発することによりまして、スピードアップを実現させているところであります。数十年前に製造された日本の車両がアルゼンチンやインドネシアなどにおきましていまだに現役で走っているのを見ましても、その優秀さを証明しているのではないかと思うところであります。
 日本の鉄道は、海外に輸出された例はそれほど多くはないのでありますが、長い歴史と幅広い知見に裏づけされておりまして、フランスのTGVやドイツのICEに劣ることはないと思うわけであります。アメリカ、ブラジル、ベトナムなど、海外から鉄道を輸入しようとしている国々があるのでありますから、これから輸出品としての日本の鉄道に期待が寄せられるところであります。

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