2011年10月30日日曜日

速記日本一決定戦の問題分析

 速記日本一決定戦(平成23年高速度速記競技会)

 2011年10月22日 早稲田速記専門学校 14:30~

 日本速記協会主催。5分間1750字。出場者9名。

 35年連続37回目の出場を果たした。日本最高記録は佐竹康平さんの40回出場。



 速記日本一決定戦(平成23年高速度速記競技会)の字数調べ


 句読点や一字あけ、一字ダッシュ、中点等、文章を作成する上で必要不可欠なものは全て字数に勘定すべきだと思います。

 これらのものを抜き取ってしまったら、文章にはなりません。また、元の文章に戻すことができなくなります。

 句読点一つで文章の意味が全く異なってしまう場合もありますので、句読点等も軽視してはいけません。

 速記の勉強は、国語力を高め正しい日本語を身につけることでもありますので、速記の練習と同時に正しい日本語の表記も習得しましょう。

 そして、話の意味が読者に正しく伝わるように文章を書くようにしましょう。


□きょうは、日本の鉄道についてお話しした
いと思います。□我が国に最初に鉄道が敷か
れたのは、明治時代の初めごろのことであり
ました。車両も技術も当時のイギリスから輸
入されたものでありました。新橋-横浜間が
(100)

日本における最初の路線でありまして、その
ことを記念いたしまして、JR新橋駅前には
SLが展示されているわけであります。我が
国は平地が少ない地形でありますので、工事
を行う際におきましては大変な困難があった
(200)

わけであります。その建設に当たりましては
、江戸時代までに培われておりました日本の
土木技術が大いに役立ったわけであります。
□このころ、アメリカでは既に長距離路線が
完成しておりまして、日本はまだまだ欧米に
(300)

はおくれをとっていたのであります。しかし
、その後、急速にその建設が進みまして、最
初の開業から約二十年後には、現在でいうと
ころの東北本線、東海道本線が完成していた
のであります。そのころの日本の主要輸出産
(400)

業になっておりました生糸の生産地とその輸
出港を結ぶ路線は、明治維新以後の日本の発
展を支える上におきまして重要な役割を果た
したと言われているわけであります。また、
時間の概念や公共の場におけるマナーを日本
(500)

に普及させる上で重要な意味があったと指摘
する意見もあるところであります。□我が国
は、明治時代に外国との二度の大きな戦争を
経験いたしましたが、そのときに、物資や兵
員の輸送におきまして鉄道が大いに活用され
(600)

たことに当時の政府は注目いたしました。そ
のことによりまして、明治の終わりごろには
、それまで多くのシェアを占めておりました
私鉄のほとんどが、法律によりまして国有化
となったわけであります。その後、鉄道省と
(700)

いう官庁が政府に設置されますと、国有化さ
れました路線は省線と呼ばれるようになりま
した。このころまでには、一部の区間におき
ましては、単線であったものが複線化されま
したり、電化されましたり、急行運転が開始
(800)

されたりもいたしました。□太平洋戦争が終
わりましてから数年後には国鉄が発足いたし
ました。その国鉄が開発いたしました東海道
新幹線は、東京-大阪間の移動時間をそれま
でよりも大幅に短縮させまして、日本の高度
(900)

経済成長を支えたのであります。しかし、非
効率な経営を行っておりました国鉄の赤字が
徐々に拡大いたしまして、昭和の終わりごろ
になりますと、行政改革の一環といたしまし
て、地域ごとに分割されましたJRに組織再
(1000)

編されることになりました。□JRになりま
してから、経営を効率化させるために、赤字
路線から撤退いたしましたり、不動産業など
への多角化経営を行ったりいたしまして、大
幅な黒字を達成する地域会社も出ましたが、
(1100)

北海道、九州、四国にあります三島会社の経
営はまだまだ楽ではないようであります。さ
らに、飛行機との競争も激しくなっておりま
して、寝台列車などは国鉄時代と比べて激減
してしまったところであります。□日本の鉄
(1200)

道のダイヤの過密性と時間の正確性は国際的
にも突出していると思うのであります。都市
部におきましては、朝の通勤電車におきまし
て、二分から三分置きに電車が走行している
区間も多いわけでありますが、これだけのダ
(1300)

イヤをこれだけ少ない事故で運行している国
はそう多くはないと思うところであります。
東海道新幹線のダイヤも過密でありまして、
しかも、あれだけの高速度で定時運転を行っ
ている区間は世界でも類を見ないところであ
(1400)

ります。□車両についての技術も大変に高い
ものがありまして、素材を工夫することで車
体を軽くいたしましたり、省電力モーターの
開発などによりまして、使用する電力量はだ
んだん低くなっているわけであります。さら
(1500)

に、速度を余り落とさないでカーブを曲がる
ことができるようにいたしましたり、空気抵
抗の少ない車体を開発することによりまして
、スピードアップを実現させているところで
あります。数十年前に製造された日本の車両
(1600)

がアルゼンチンやインドネシアなどにおきま
していまだに現役で走っているのを見まして
も、その優秀さを証明しているのではないか
と思うところであります。□日本の鉄道は、
海外に輸出された例はそれほど多くはないの
(1700)

でありますが、長い歴史と幅広い知見に裏づ
けされておりまして、フランスのTGVやド
イツのICEに劣ることはないと思うわけで
あります。アメリカ、ブラジル、ベトナムな
ど、海外から鉄道を輸入しようとしている国
(1800)

々があるのでありますから、これから輸出品
としての日本の鉄道に期待が寄せられるとこ
ろであります。(了)
(1850)
(10分間3700字)


 速記日本一決定戦(平成23年高速度速記競技会)の音数調べ

□きょうは、にっぽんのてつどうについてお
はなししたいとおもいます。□わがくににさ
いしょにてつどうがしかれたのは、めいじじ
だいのはじめごろのことでありました。しゃ
りょうもぎじゅつもとうじのイギリスからゆ
(100)

にゅうされたものでありました。しんばし-
よこはまかんがにっぽんにおけるさいしょの
ろせんでありまして、そのことをきねんいた
しまして、JRしんばしえきまえにはSLが
てんじされているわけであります。わがくに
(200)

はへいちがすくないちけいでありますので、
こうじをおこなうさいにおきましてはたいへ
んなこんなんがあったわけであります。その
けんせつにあたりましては、えどじだいまで
につちかわれておりましたにっぽんのどぼく
(300)

ぎじゅつがおおいにやくだったわけでありま
す。□このころ、アメリカではすでにちょう
きょりろせんがかんせいしておりまして、に
っぽんはまだまだおうべいにはおくれをとっ
ていたのであります。しかし、そのご、きゅ
(400)

うそくにそのけんせつがすすみまして、さい
しょのかいぎょうからやくにじゅうねんごに
は、げんざいでいうところのとうほくほんせ
ん、とうかいどうほんせんがかんせいしてい
たのであります。そのころのにっぽんのしゅ
(500)

ようゆしゅつさんぎょうになっておりました
きいとのせいさんちとそのゆしゅつこうをむ
すぶろせんは、めいじいしんいごのにっぽん
のはってんをささえるうえにおきましてじゅ
うようなやくわりをはたしたといわれている
(600)

わけであります。また、じかんのがいねんや
こうきょうのばにおけるマナーをにっぽんに
ふきゅうさせるうえでじゅうようないみがあ
ったとしてきするいけんもあるところであり
ます。□わがくには、めいじじだいにがいこ
(700)

くとの二どの大きなせんそうをけいけんいた
しましたが、そのときに、ぶっしやへいいん
のゆそうにおきましててつどうがおおいにか
つようされたことにとうじのせいふはちゅう
もくいたしました。そのことによりまして、
(800)


めいじのおわりごろには、それまでおおくの
シェアをしめておりましたしてつのほとんど
が、ほうりつによりましてこくゆうかとなっ
たわけであります。そのご、てつどうしょう
というかんちょうがせいふにせっちされます
(900)


と、こくゆうかされましたろせんはしょうせ
んとよばれるようになりました。このころま
でには、いちぶのくかんにおきましては、た
んせんであったものがふくせんかされました
り、でんかされましたり、きゅうこううんて
(1000)

んがかいしされたりもいたしました。□たい
へいようせんそうがおわりましてからすうね
んごにはこくてつがほっそくいたしました。
そのこくてつがかいはついたしましたとうか
いどうしんかんせんは、とうきょう-おおさ
(1100)

かかんのいどうじかんをそれまでよりもおお
はばにたんしゅくさせまして、にっぽんのこ
うどけいざいせいちょうをささえたのであり
ます。しかし、ひこうりつなけいえいをおこ
なっておりましたこくてつのあかじがじょじ
(1200)

ょにかくだいいたしまして、しょうわのおわ
りごろになりますと、ぎょうせいかいかくの
いっかんといたしまして、ちいきごとにぶん
かつされましたJRにそしきさいへんされる
ことになりました。□JRになりましてから
(1300)

、けいえいをこうりつかさせるために、あか
じろせんからてったいいたしましたり、ふど
うさんぎょうなどへのたかくかけいえいをお
こなったりいたしまして、おおはばなくろじ
をたっせいするちいきがいしゃもでましたが
(1400)

、ほっかいどう、きゅうしゅう、しこくにあ
りますさんとうがいしゃのけいえいはまだま
だらくではないようであります。さらに、ひ
こうきとのきょうそうもはげしくなっており
まして、しんだいれっしゃなどはこくてつじ
(1500)

だいとくらべてげきげんしてしまったところ
であります。□にっぽんのてつどうのダイヤ
のかみつせいとじかんのせいかくせいはこく
さいてきにもとっしゅつしているとおもうの
であります。としぶにおきましては、あさの
(1600)

つうきんでんしゃにおきまして、二ふんから
三ぷんおきにでんしゃがそうこうしているく
かんもおおいわけでありますが、これだけの
ダイヤをこれだけすくないじこでうんこうし
ているくにはそうおおくはないとおもうとこ
(1700)

ろであります。とうかいどうしんかんせんの
ダイヤもかみつでありまして、しかも、あれ
だけのこうそくどでていじうんてんをおこな
っているくかんはせかいでもるいをみないと
ころであります。□しゃりょうについてのぎ
(1800)

じゅつもたいへんにたかいものがありまして
、そざいをくふうすることでしゃたいをかる
くいたしましたり、しょうでんりょくモータ
ーのかいはつなどによりまして、しようする
でんりょくりょうはだんだんひくくなってい
(1900)

るわけであります。さらに、そくどをあまり
おとさないでカーブをまがることができるよ
うにいたしましたり、くうきていこうのすく
ないしゃたいをかいはつすることによりまし
て、スピードアップをじつげんさせていると
(2000)

ころであります。すうじゅうねんまえにせい
ぞうされたにっぽんのしゃりょうがアルゼン
チンやインドネシアなどにおきましていまだ
にげんえきではしっているのをみましても、
そのゆうしゅうさをしょうめいしているので
(2100)

はないかとおもうところであります。□にっ
ぽんのてつどうはかいがいにゆしゅつされた
れいはそれほどおおくはないのでありますが
、ながいれきしとはばひろいちけんにうらづ
けされておりまして、フランスのTGVやド
(2200)

イツのICEにおとることはないとおもうわ
けであります。アメリカ、ブラジル、ベトナ
ムなど、かいがいからてつどうをゆにゅうし
ようとしているくにぐにがあるのであります
から、これからゆしゅつひんとしてのにっぽ
(2300)

んのてつどうにきたいがよせられるところで
あります。(りょう)
(2330)
(10分間にして4660音)

 高速度速記競技会では、過去、音数にして10分間4800音を超える問題が出されたことがあります。
 速記日本一決定戦ですから仕方ないのかもしれませんが、今年の問題も難易度は高かったようです。
 「分速350字」だと思って油断してはいけません。「分速466音」なのです。
 日常生活においては、「分速240字」でも十分間に合いますから、これに懲りず一生懸命速記の練習をしましょう。
 「録音・録画があるから、もう速記なんてどうでもいいや」と速記を書くことを投げてしまうことが一番いけません。
 速記の練習をしないと、10分間3200字どころか、10分当たり1200字の試験にも受からなくなります。

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