2009年6月6日土曜日

会議録の発行

 【速記
 速記者が速記も書かず、録音に頼って速記録を作るようなことをしていれば、ろくな結果にはならない。
 「速成」という看板とは裏腹に、「お速成」という非難を浴びることになるだろう。
 速記はスポーツのようなもので、書かなくなれば書けなくなる。
 書かなければ、いつか、書けなくなって愕然とする日が来る。
 手書き反訳時代、先輩が、通常国会が終わる頃になって、ようやく調子が出てきたと言っていた。それは冗談ではなくて、書いて、書いて、書き込んで、ようやく本調子になる。
 速記者は、速記を書くことを避けてはならない。
 【テレビ】
 速記者を必要としているのは、衆議院参議院だけではない。
 2千近くある全国の都道府県議会、市区町村議会も、同じように速記者を必要としている。
 議会以外にも、速記者の需要はいろいろある。
 省庁、裁判所、会社、学校、個人等からの需要もある。
 しかし、衆参は、衆参だけのことを考えて速記者を養成していた。
 全国の都道府県、市区町村も、自前の速記者養成機関を持とうとはしなかった。
 大学も、速記学部とか速記学科とか速記という科目を設置しようとはしなかった。
 衆参は、沖縄消防庁からの依頼を受けて速記者を育てたこともあったが、全国的な視野に立っての速記者養成はしなかった。
 今回も、速記者を養成しなくても何とかなりそうだという内輪の事情だけで、養成所が廃止された。
 国会のテレビシステムが完成したのだ。
 国会首脳は、テレビがあれば速記は必要ないと考えた。
 委員会室の四隅上部に4台の大きなカメラを設置し、1つの座席に1台のマイクを置いて、一度に10本以上の委員会が開かれても、同時にテレビ放送する体制が整った。
 録音、録画を保存することは簡単だが、会議録を作成するのは、手間暇がかかる。
 速記者を養成しなければならない。
 速記を書かなければならない。
 速記原稿を作成し、疑問点、問題点を解決して、ミスのない会議録を迅速に発行しなければならない。そしてそれは、幾ら手間暇がかかっても、最低限、継続していかなければならない。
 録音機器、録画機器、ワープロ・パソコンの発達により、手書き反訳時代、あるいは録音のない時代に比べれば、それでもずっと速記録の作成作業は楽になったはずである。さらに、音声認識や文字認識を上手に利用すれば、さらに、速記録の作成は楽になるはずである。しかしまた、それ以上を望むべきではない。文章を書くのは人間の頭だから、合理化するにも限界がある。幾ら機械が発達しても、最低限の努力は今後も必要である。
【発行】
 会議録は、早く発行されるのが、理想である。
 要求されるスピードによって、第Ⅰ種会議録から第Ⅴ種会議録まで、分けて考えればどうだろうか。
第Ⅰ種会議録 会議の翌日に発行する会議録
 月曜日→火曜日、火曜日→水曜日、水曜日→木曜日、木曜日→金曜日、金曜日→月曜日。
第Ⅱ種会議録 会議の3日後に発行する会議録
 月曜日→木曜日、火曜日→金曜日、水曜日→月曜日、木曜日→火曜日、金曜日→水曜日。
第Ⅲ種会議録 会議の5日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
第Ⅳ種会議録 会議の10日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
第Ⅴ種会議録 会議の15日後に発行する会議録
 月曜日→月曜日、火曜日→火曜日、水曜日→水曜日、木曜日→木曜日、金曜日→金曜日。
 会議録は、正確に作成され、迅速に発行されなければならない。
 会議録速成システムは、正確な会議録を迅速に発行するために考えられたシステムである。「お速成」とか「お速載」と言われないようにしなければならない。

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