2009年6月19日金曜日

速記を外してもよい場合

2009-06-18 速記を外してもよい場合
 速記を外してもよい場合とは、間違いなく完全な録音・録画がとれる場合です。
 いつの場合にも、速記の必要がなくなったわけではありません。
 完全な録音をとることは、完全な速記をとることと同じように、大変なことです。
 速記も録音も、甘く見てはいけません。
 国会のテレビ放送体制を確立するために、どれほどの設備投資がなされ、どれだけの人がつぎ込まれているのか、正確にはわかりませんが、相当なものだと思います。
 以前のように、速記だけだったときの方が、うんと安上がりだったと思います。
 速記を外して録音に失敗した場合、速記録の作成は完全にアウトです。
 速記を外して録音に失敗した場合、誰が会議録に対して責任をとるのでしょうか。
 マイクの近くの音は録音されるけれども、マイクから離れたところの音は、よく入っていない場合があります。
 人の耳は、5メートル離れても10メートル離れても聞こえるのですが、マイクは1メートル以上離れてしまうと、きちんと録音されません 。
 映像も、対角線上の4方向から4台の大型カメラによって4人のカメラマンがリモコン操作によって撮影しているから失敗の少ない映像を送ることができるのですが、1台で1方向だけのカメラで録画をとった場合には、映像切れやピント外れを起こしたりします。
 発言者が変わったとき、カメラを動かすとき、被写体をちゃんとキャッチできないときがあります。
 ポータブルのビデオの場合、電池が切れたり、ディスクやテープがなくなったときに映像切れがおこります。
 速記を外す場合、絶対に録音切れ、映像切れを起こしてはなりません。
 今まで、速記していればキャッチできた音も、録音だけでは、相当欠落なりカットがなされているのではないかと思われます。
 みんながそれで良いと納得してやっている以上、それが完全なものでなくても通用してしまうわけです。
 国会速記を外したからといって、どこもかも速記を外してよいというわけではありません。
 テレビ放送のない会議においては、今までどおり速記が必要です。
 その日の速記録をその日のうちに印刷しなければならないような場合も、資料請求や問い合わせ等、機敏な対応が求められますので、やはり速記者が現場に出て速記することになると思います。

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